STADIUM TOUR 2011 "SENSE" -in the field- DVD&Blu-rayレポート


20115月に終了したアリーナツアー TOUR 2011 "SENSE"に引き続き行われたスタジアムツアー。


本作品は9/19長居陸上競技場(大阪公演)での公演が収録されていますが、Mr.Childrenのライブでずっと雨が降り続いている公演は珍しい(前日のライブは晴れだった)ので、貴重な雨に打たれながらの4+たけしPの熱い演奏を観ることができます。


実はこの大阪公演後、宮城での公演が追加されました。これは「先のアリーナツアーで予定していた東北地方でのライブが出来なかったこと」、「被災地に行き音楽を届けることで震災にあわれた方々に少しでも喜んでもらい、元気 になってもらえれば」というメンバーの思いから出来るだけ早い段階での東北地方でのライブを開催したいと考え、開催に至ったそうです。


仙台公演では全国各地の会場で撮影されたビデオレターが流されました(エンディング終了後にこの様子も収録されているのでぜひご覧になって下さい)


ではでは、レポートに参ります!!


0.かぞえうた(ワンコーラスのみ)

敢えて"0"という書き方にしました。

"またふりだしから はじめるきぼうのうた"


1.Prelude

かぞえうたのフェードアウトから桜井さんのギターが鳴り響く。最高の夜になる予感しかしない。

野外のだんだん日が暮れていく、一日が終わっていくライブのオープニングナンバーとしてこの上なく相応しい楽曲。この場をお借りして"Mr.ChildrenMr.Childrenを超えていく瞬間をお見せします!!"という声高らかな開会宣言の歌のようにも聴こえてくる。

TOUR 2011 "SENSE"の本編をこの曲で終えていたことがこのツアーのオープニングに繋がっていたことを考えると、このツアーを終えてようやく"SENSE"というひとつの作品が完成するということなのかもしれない。


2.HOWL

TOUR 2011 "SENSE"と同様に2曲目にこのナンバーが選ばれた。野外ということもあり前回のツアーより開放感や自由度が格段に上がっている。メンバーもお客さんももうこの時点でテンションが高く双方ともにこのツアーが楽しみだったんだなぁと強く感じる。


3.未来

ツアーでの披露はI❤️Uツアー以来、6年ぶりのお久しぶりの楽曲。

このタイミングでなぜ"未来"を歌ったのか?前回のツアー中に起こった大震災で多くの人がこれからどうなるのだろうか誰の身にも起こることなのかもしれないと恐らく不安になった人がたくさんいたと思う、、、それはMr.Childrenも例外ではない。Mr.Childrenはやはり自分たちには音楽しかない、その想いを音楽で還元したいと改めて考えたのかもしれない。

この曲で個人的に印象的深かったのは、原曲では"ヒッチハイクをしている 僕を迎えに行こう"の後すぐに曲が終わるが、今回のアレンジではそこからアウトロが追加されていた部分だ。これは"僕を迎えに行く"という決意で終わらずに、もう一歩先の未来に踏み出したことをこのアウトロで表現したかったのではと感じています


4. I'm talking about Lovin'

田原さんのギターを起点に小林さんのキーボードがカラフルな音色を描いていく。野外の開放感、テンションの高まりからかアリーナツアーに比べて桜井さんの身振り手振りが大きくなっているのが印象的。


5.innocent world

前曲のOh…I like youの部分から実にうまく"いつの日もこの胸に流れてるメロディー"に繋がる。

物憂げな9月の雨に打たれて愛に満ちた季節を想って歌う彼らをとくとご覧下さい😌


MC

「今日は6時から雨降るんだって。そのうち降るかもね」いたずらっぽく天気予報するさくらいさんかわい……


6.Replay

なんとツアーでの披露は94年の"tour innocent world"以来17年ぶりのナンバー。

スタッフさんの中でもライブでこの曲を聴いたことがある人はごく僅かだったそう。

イントロからもう既に若い、青いMr.Childrenが蘇ってきてものすごく清々しい気持ちにさせてくれる。


7.君が好き

実はこの曲も2002年の"wonderful world on DEC 21"以来9年ぶりにバンドで演奏された久しぶりのナンバー。

月も濁る大阪の夜です🌛


MC

雨に濡れるファンを見て桜井さんが「綺麗やでぇ〜」と一言。そのままあなたにお返ししま〜す🙌

ツアーファイナルである宮城公演のために元気のリレー(ファンの人たちによるウェーブ)が行われる(撮影者:桜井和寿)

ここではウェーブの実況中継を行うただただ可愛い桜井和寿と笑顔で見守るメンバーをご覧ください(((超重要)))

「みんなの人生に寄り添っていけるような曲が一曲でもあればいいなと思います」と桜井さん。ずっと寄り添ってもらってますありがとう。


8.Mirror

"Tour 2004 シフクノオト"以来7年ぶりに披露されたナンバー。そのツアーとは異なり田原さんがグロッケンではなくアコギを弾いてるのが非常に印象的。

雨音がキーボードの音色を格段に深みのある音に仕立てて泣けてくる。


9.

アリーナツアーでは披露されなかったため今ツアーが初披露のナンバー。

桜井さんの口笛が祈るように讃えるように響き渡る。"Mirror"から"I"に繋ぐ上でも非常に大切な橋渡しの役を担ってる気もします


10.I

アリーナツアー同様、相変わらずこの曲はライブ映えがすごい!!

背面のスクリーンにサマソニREMのように桜井さんが立体的に浮かび上がる演出や、ずっと赤い照明からこの曲がもつ人間の血のような生々しさや裏の部分がさらけ出されている感じも見受けられる。


11.CENTER OF UNIVERSE

前回のスタジアムツアー"HOME" -in the field-以来の披露となるナンバー。サンギビといいすごく開放的で野外が似合う曲になってきた。Qの頃に内向的に半ばヤケクソになりながら"あぁ世界は素晴らしい"と言っていた頃とは違うが、時期が時期なので少し皮肉にも聴こえる。


12.365

例のSE、映像から曲が始まる。

小林武史サウンドがいい意味で爆発していてこれほどキーボードが心地よい曲はそうそうないと思う。


13.ハル

""同様にアリーナツアーでは披露されなかったため今ツアーが初披露のナンバー。

実はアリーナツアーでも候補には挙がっていたがテーマにそぐわないことから外されていた。真夏のツアーにもかかわらず全く違和感なくセトリに入っておりお見事でした🌸


14.ロックンロールは生きている

不穏なSEから闇を切り裂くような桜井さんのギターと歌声からスタート。Mr.Childrenのロックンロールはここに生きてるぞ!!と言わんばかりのメンバーの演奏、桜井さんの力強い歌声がこれでもかと飛び込んでくる。

特に間奏の桜井さんのギターソロはロックンロール以外の何ものでもない。


15.ニシエヒガシエ

イントロのお田原様のギターを永遠に聴いていたいくらいかっちょいいいいナンバー。

大雨がこの曲の混沌とした感じとうまい具合にマッチしている。


16.Everything is made from a dream

ツアーでの披露は"Concert Tour Q"以来、10年ぶりとなるナンバー。当時とは異なり今ツアーでは原曲キーかつ間奏の部分をCD音源通りに。

"未来"同様にこのツアーでのキーポイントになった曲だと思っています。

原子力や細菌兵器だってきっと誰かの夢が実現してできたもので、自分たちの願望を満たすために生物の命までをコンロールしようとしている、、、それは本当に進歩なのでしょうか、、、regress or progress、、、

だけどそれでも、遥かな未来に向けてマーチは続いていく、、だからこそ明るい未来のために夢を描いて僕たちが変えていきたい!!(背面スクリーンに映し出された風力発電の風車etc.)という決意表明にも個人的には感じました。


17. 風と星とメビウスの輪

やっぱり自然に生かされてるんだよなぁなんて感じる曲。このツアーは特に背面スクリーンに伝えたいことを言葉としてではなく映像として印象づけている気もします、、、

この曲の力強くそして優しく演奏するメンバーの顔がとってもすき


18.HERO

アリーナツアーに続き演奏されたナンバー。普段より力強く歌い上げてる印象が強い。

実はこの曲を歌い終えた後、雨でマイクが壊れるというトラブルが発生!これだけ降ってる中でよくここまで持ち堪えたな


19.擬態

映像で見てもらうと分かるんですが、メチャクチャ雨降ってます*1

雨が降ると加湿器を焚いたようになるので声の調子も良くなると桜井は話していましたがライブ終盤でこの歌声は化け物です

大サビで「行っちゃうか!!」と花道は飛び出していく桜井さんが絵になるぜ


20.エソラ

やっぱり最後はこの曲しかありません!!!

2番の歌詞(天気予報によれば〜心さえ乾いてなければどんな景色も宝石に変わる)はこの日にピッタリすぎて桜井さんは大阪の空を指差して笑いながら歌っています😚

田原さん、ナカケーも花道に登場してお客さんのテンションは最高潮に!!!!


アンコール待ち

バックステージに戻るMr.Childrenですが、誰からともなく「お客さん、寒いだろうから早く外に出ようよ」と気遣う声も聞こえてきたそうです。これだけたくさんのファンに愛されている理由が垣間見えますね ;  


en1.fanfare

雨音かオーディエンスの拍手の音かどっちが大きいか分からないくらいのアンコール待ちを経て、メンバーの再登場とともにこの曲のイントロ(=ファンファーレ)が鳴り響く!!

アリーナツアー同様にキーは半音下げながらこの曲の持つ熱量で会場は再び大きく湧き上がります。

お客さんが大合唱しているときの田原さんのこれ以上ないほどの笑顔を見逃すな!!!!


en2.星になれたら

95年のスタジアムツアー"ku"以降popsaurus2001HOME -in the field-とスタジアムツアーでの演奏が風物詩と化しているナンバー。

花道でぴょんぴょん跳ねながら歌う桜井さんかわいいいいいい(n回目)

このツアー以降一度もライブで演奏されていないのでぜひまた聴きたいところ


en3.Tomorrow never knows

イントロで否応なく湧き上がる曲No. 1(当社比)

実はライブでの披露は意外にもHOME -in the field-以来、4年のブランクを経ての披露となった。やっぱりこの曲なしではMr.Childrenは語れないという貫禄を見せつけてくる。


en4.かぞえうた

今回はフルでの演奏。大雨に負けない力強く、優しい表情で歌っているのが印象深い一曲。アウトロでの桜井さんの言葉にならない叫びが突き刺さる。


en5.終わりなき旅

「最後の最後に、消えない希望と、終わらない夢をこの歌に乗せて

これを聴いて泣かないファンはいません(((断言)))

これまでのツアーとは全く異質の、異次元のパワーを持った音が夜空に解き放たれています。

とあるスタッフさんが「ツアーでときたまバンドの奇跡のみたいなものが見れる瞬間がある。この"終わりなき旅"では、そんな言葉では表すことの出来ないバンドのパワーが感じられる」と話していましたが、まさしくその通りで"終わりなき旅"をライブで聴いて感動するのは、詩や曲の良さはもちろん、バンドが持っているパワーや強さ、曲に対する信頼、ファン・スタッフなどサポートしてくれている人への思いが全部この曲に憑依しているからなのだと強く感じています。



個人的にこのツアーはMr.Childrenのタフさを改めて証明した最高のツアーだと感じています。これから前に進んでいくための音、ふと自分に迷った時に優しく、時に激しく背中を押してくれる歌がこの中にギュッと凝縮されていると思います。特に最後の"終わりなき旅"にはどんな言葉を使って説明しても伝わらない力が音楽に宿っているような気がします。ぜひ一度ご覧になってみてください。



*1:今更感