ドラえもんとMr.Children


「映画ドラえもん のび太の新恐竜」を見て思ったところ、Mr.Childrenとリンクする部分がいくつかあったのでメモ書きのように書き留めていきます。


・恐竜と花


今作の序盤で「なぜ恐竜は絶滅したのか?」という疑問が出てきました。劇中でもあった通り6600万年前に地球にいくつもの隕石が地球に衝突し、その後の極端な気象変動により恐竜はほどなく絶滅したという説が広く受け容れられいます。しかし、ふともう一つ説がふと脳裏をよぎりました。


それは「花の出現」です。花粉を運ぶ昆虫には「花」は蜜を与え、ただ食べるだけの恐竜には毒を盛りました。それ故に草食恐竜はもちろん、草食動物を食べる肉食恐竜も姿を消していきました。しかししかし未だに存在する恐竜の存在を僕は知っています。


Mr.Childrenです。Mr.Childrenにとっての「花」とはニューヨークのウォーターフロントスタジオで最初にレコーディングされた、深海への入り口となるものです。ところがMr.Childrenというポップザウルスは自分たちを滅ぼそうとした花さえも取り込んでさらに巨大なポップな恐竜へと進化していきました。


花といえば2008年に出演したMusic Loversの桜井さんMCにて「スガシカオさんから桜井くんは花って言葉が好きだねぇもしかしたら、君の永遠のテーマなのかもねってメールが来てそうなのかもねぇ()」なんて話をしてたけど桜井さんにとって、Mr.Childrenにとって""は今後もキーになってきそうな気がします


・主題歌に込められた想い


まず"Birthday"には"誕生日"というより""という時間を他の誰でもない""が生きているその日々のことを指しているのではないかと感じました。

2010年に放送されたTHE SONGWRITERSにて佐野さんからの「好きな言葉は?」という質問に対して「今日という日は自分に残された人生における最初の一日」と桜井さんは答えていましたが、その言葉がまさに歌詞となって表れているのかも


そして"君と重ねたモノローグ"

これはキューとのび太の関係性が顕著に描かれているなぁと感じました。歌詞はもちろんのことながら特にそう感じたのはアウトロの部分です。映画を見る前まではなぜこれ程長いアウトロになったのか見当もつきませんでしたが、あれは恐竜として生き延びたキューとミューが鳥として現代まで子孫を残し、キューと約束した逆上がりを克服するのび太を上空で見守るという長い時間軸の流れを描いたのではないかと勝手に想像してました

それにしてもシナリオを読んだファーストインプレッションでこの曲描いちゃうあたりから桜井さんやべぇな……


兎にも角にもまたライブで聴きたい楽曲が増えました。つぎMr.Childrenに会うときにはどんな進化をしているのかまた感謝と愛情のキャッチボールができる日を心待ちにしながら日常をやっつけたいと思います

STADIUM TOUR 2011 "SENSE" -in the field- DVD&Blu-rayレポート


20115月に終了したアリーナツアー TOUR 2011 "SENSE"に引き続き行われたスタジアムツアー。


本作品は9/19長居陸上競技場(大阪公演)での公演が収録されていますが、Mr.Childrenのライブでずっと雨が降り続いている公演は珍しい(前日のライブは晴れだった)ので、貴重な雨に打たれながらの4+たけしPの熱い演奏を観ることができます。


実はこの大阪公演後、宮城での公演が追加されました。これは「先のアリーナツアーで予定していた東北地方でのライブが出来なかったこと」、「被災地に行き音楽を届けることで震災にあわれた方々に少しでも喜んでもらい、元気 になってもらえれば」というメンバーの思いから出来るだけ早い段階での東北地方でのライブを開催したいと考え、開催に至ったそうです。


仙台公演では全国各地の会場で撮影されたビデオレターが流されました(エンディング終了後にこの様子も収録されているのでぜひご覧になって下さい)


ではでは、レポートに参ります!!


0.かぞえうた(ワンコーラスのみ)

敢えて"0"という書き方にしました。

"またふりだしから はじめるきぼうのうた"


1.Prelude

かぞえうたのフェードアウトから桜井さんのギターが鳴り響く。最高の夜になる予感しかしない。

野外のだんだん日が暮れていく、一日が終わっていくライブのオープニングナンバーとしてこの上なく相応しい楽曲。この場をお借りして"Mr.ChildrenMr.Childrenを超えていく瞬間をお見せします!!"という声高らかな開会宣言の歌のようにも聴こえてくる。

TOUR 2011 "SENSE"の本編をこの曲で終えていたことがこのツアーのオープニングに繋がっていたことを考えると、このツアーを終えてようやく"SENSE"というひとつの作品が完成するということなのかもしれない。


2.HOWL

TOUR 2011 "SENSE"と同様に2曲目にこのナンバーが選ばれた。野外ということもあり前回のツアーより開放感や自由度が格段に上がっている。メンバーもお客さんももうこの時点でテンションが高く双方ともにこのツアーが楽しみだったんだなぁと強く感じる。


3.未来

ツアーでの披露はI❤️Uツアー以来、6年ぶりのお久しぶりの楽曲。

このタイミングでなぜ"未来"を歌ったのか?前回のツアー中に起こった大震災で多くの人がこれからどうなるのだろうか誰の身にも起こることなのかもしれないと恐らく不安になった人がたくさんいたと思う、、、それはMr.Childrenも例外ではない。Mr.Childrenはやはり自分たちには音楽しかない、その想いを音楽で還元したいと改めて考えたのかもしれない。

この曲で個人的に印象的深かったのは、原曲では"ヒッチハイクをしている 僕を迎えに行こう"の後すぐに曲が終わるが、今回のアレンジではそこからアウトロが追加されていた部分だ。これは"僕を迎えに行く"という決意で終わらずに、もう一歩先の未来に踏み出したことをこのアウトロで表現したかったのではと感じています


4. I'm talking about Lovin'

田原さんのギターを起点に小林さんのキーボードがカラフルな音色を描いていく。野外の開放感、テンションの高まりからかアリーナツアーに比べて桜井さんの身振り手振りが大きくなっているのが印象的。


5.innocent world

前曲のOh…I like youの部分から実にうまく"いつの日もこの胸に流れてるメロディー"に繋がる。

物憂げな9月の雨に打たれて愛に満ちた季節を想って歌う彼らをとくとご覧下さい😌


MC

「今日は6時から雨降るんだって。そのうち降るかもね」いたずらっぽく天気予報するさくらいさんかわい……


6.Replay

なんとツアーでの披露は94年の"tour innocent world"以来17年ぶりのナンバー。

スタッフさんの中でもライブでこの曲を聴いたことがある人はごく僅かだったそう。

イントロからもう既に若い、青いMr.Childrenが蘇ってきてものすごく清々しい気持ちにさせてくれる。


7.君が好き

実はこの曲も2002年の"wonderful world on DEC 21"以来9年ぶりにバンドで演奏された久しぶりのナンバー。

月も濁る大阪の夜です🌛


MC

雨に濡れるファンを見て桜井さんが「綺麗やでぇ〜」と一言。そのままあなたにお返ししま〜す🙌

ツアーファイナルである宮城公演のために元気のリレー(ファンの人たちによるウェーブ)が行われる(撮影者:桜井和寿)

ここではウェーブの実況中継を行うただただ可愛い桜井和寿と笑顔で見守るメンバーをご覧ください(((超重要)))

「みんなの人生に寄り添っていけるような曲が一曲でもあればいいなと思います」と桜井さん。ずっと寄り添ってもらってますありがとう。


8.Mirror

"Tour 2004 シフクノオト"以来7年ぶりに披露されたナンバー。そのツアーとは異なり田原さんがグロッケンではなくアコギを弾いてるのが非常に印象的。

雨音がキーボードの音色を格段に深みのある音に仕立てて泣けてくる。


9.

アリーナツアーでは披露されなかったため今ツアーが初披露のナンバー。

桜井さんの口笛が祈るように讃えるように響き渡る。"Mirror"から"I"に繋ぐ上でも非常に大切な橋渡しの役を担ってる気もします


10.I

アリーナツアー同様、相変わらずこの曲はライブ映えがすごい!!

背面のスクリーンにサマソニREMのように桜井さんが立体的に浮かび上がる演出や、ずっと赤い照明からこの曲がもつ人間の血のような生々しさや裏の部分がさらけ出されている感じも見受けられる。


11.CENTER OF UNIVERSE

前回のスタジアムツアー"HOME" -in the field-以来の披露となるナンバー。サンギビといいすごく開放的で野外が似合う曲になってきた。Qの頃に内向的に半ばヤケクソになりながら"あぁ世界は素晴らしい"と言っていた頃とは違うが、時期が時期なので少し皮肉にも聴こえる。


12.365

例のSE、映像から曲が始まる。

小林武史サウンドがいい意味で爆発していてこれほどキーボードが心地よい曲はそうそうないと思う。


13.ハル

""同様にアリーナツアーでは披露されなかったため今ツアーが初披露のナンバー。

実はアリーナツアーでも候補には挙がっていたがテーマにそぐわないことから外されていた。真夏のツアーにもかかわらず全く違和感なくセトリに入っておりお見事でした🌸


14.ロックンロールは生きている

不穏なSEから闇を切り裂くような桜井さんのギターと歌声からスタート。Mr.Childrenのロックンロールはここに生きてるぞ!!と言わんばかりのメンバーの演奏、桜井さんの力強い歌声がこれでもかと飛び込んでくる。

特に間奏の桜井さんのギターソロはロックンロール以外の何ものでもない。


15.ニシエヒガシエ

イントロのお田原様のギターを永遠に聴いていたいくらいかっちょいいいいナンバー。

大雨がこの曲の混沌とした感じとうまい具合にマッチしている。


16.Everything is made from a dream

ツアーでの披露は"Concert Tour Q"以来、10年ぶりとなるナンバー。当時とは異なり今ツアーでは原曲キーかつ間奏の部分をCD音源通りに。

"未来"同様にこのツアーでのキーポイントになった曲だと思っています。

原子力や細菌兵器だってきっと誰かの夢が実現してできたもので、自分たちの願望を満たすために生物の命までをコンロールしようとしている、、、それは本当に進歩なのでしょうか、、、regress or progress、、、

だけどそれでも、遥かな未来に向けてマーチは続いていく、、だからこそ明るい未来のために夢を描いて僕たちが変えていきたい!!(背面スクリーンに映し出された風力発電の風車etc.)という決意表明にも個人的には感じました。


17. 風と星とメビウスの輪

やっぱり自然に生かされてるんだよなぁなんて感じる曲。このツアーは特に背面スクリーンに伝えたいことを言葉としてではなく映像として印象づけている気もします、、、

この曲の力強くそして優しく演奏するメンバーの顔がとってもすき


18.HERO

アリーナツアーに続き演奏されたナンバー。普段より力強く歌い上げてる印象が強い。

実はこの曲を歌い終えた後、雨でマイクが壊れるというトラブルが発生!これだけ降ってる中でよくここまで持ち堪えたな


19.擬態

映像で見てもらうと分かるんですが、メチャクチャ雨降ってます*1

雨が降ると加湿器を焚いたようになるので声の調子も良くなると桜井は話していましたがライブ終盤でこの歌声は化け物です

大サビで「行っちゃうか!!」と花道は飛び出していく桜井さんが絵になるぜ


20.エソラ

やっぱり最後はこの曲しかありません!!!

2番の歌詞(天気予報によれば〜心さえ乾いてなければどんな景色も宝石に変わる)はこの日にピッタリすぎて桜井さんは大阪の空を指差して笑いながら歌っています😚

田原さん、ナカケーも花道に登場してお客さんのテンションは最高潮に!!!!


アンコール待ち

バックステージに戻るMr.Childrenですが、誰からともなく「お客さん、寒いだろうから早く外に出ようよ」と気遣う声も聞こえてきたそうです。これだけたくさんのファンに愛されている理由が垣間見えますね ;  


en1.fanfare

雨音かオーディエンスの拍手の音かどっちが大きいか分からないくらいのアンコール待ちを経て、メンバーの再登場とともにこの曲のイントロ(=ファンファーレ)が鳴り響く!!

アリーナツアー同様にキーは半音下げながらこの曲の持つ熱量で会場は再び大きく湧き上がります。

お客さんが大合唱しているときの田原さんのこれ以上ないほどの笑顔を見逃すな!!!!


en2.星になれたら

95年のスタジアムツアー"ku"以降popsaurus2001HOME -in the field-とスタジアムツアーでの演奏が風物詩と化しているナンバー。

花道でぴょんぴょん跳ねながら歌う桜井さんかわいいいいいい(n回目)

このツアー以降一度もライブで演奏されていないのでぜひまた聴きたいところ


en3.Tomorrow never knows

イントロで否応なく湧き上がる曲No. 1(当社比)

実はライブでの披露は意外にもHOME -in the field-以来、4年のブランクを経ての披露となった。やっぱりこの曲なしではMr.Childrenは語れないという貫禄を見せつけてくる。


en4.かぞえうた

今回はフルでの演奏。大雨に負けない力強く、優しい表情で歌っているのが印象深い一曲。アウトロでの桜井さんの言葉にならない叫びが突き刺さる。


en5.終わりなき旅

「最後の最後に、消えない希望と、終わらない夢をこの歌に乗せて

これを聴いて泣かないファンはいません(((断言)))

これまでのツアーとは全く異質の、異次元のパワーを持った音が夜空に解き放たれています。

とあるスタッフさんが「ツアーでときたまバンドの奇跡のみたいなものが見れる瞬間がある。この"終わりなき旅"では、そんな言葉では表すことの出来ないバンドのパワーが感じられる」と話していましたが、まさしくその通りで"終わりなき旅"をライブで聴いて感動するのは、詩や曲の良さはもちろん、バンドが持っているパワーや強さ、曲に対する信頼、ファン・スタッフなどサポートしてくれている人への思いが全部この曲に憑依しているからなのだと強く感じています。



個人的にこのツアーはMr.Childrenのタフさを改めて証明した最高のツアーだと感じています。これから前に進んでいくための音、ふと自分に迷った時に優しく、時に激しく背中を押してくれる歌がこの中にギュッと凝縮されていると思います。特に最後の"終わりなき旅"にはどんな言葉を使って説明しても伝わらない力が音楽に宿っているような気がします。ぜひ一度ご覧になってみてください。



*1:今更感

TOUR 2011 "SENSE" ライブDVDレポ


201012月にリリースされた15th Album "SENSE"を引っ下げてのアリーナツアー。


発売前日まで収録曲やタイトルは一切発表されず、テレビ・雑誌などのプロモーションも一切行わなかった異色の作品は"Mr.ChildrenMr.Childrenを超えること"をテーマとし、聴き手に感じ取って欲しい(=あなたのSENSEにすべて委ねます)というものだったため、ツアーもどういったものになるかファンの方々は非常にキタイが膨らんでいたのではないでしょうか🐋


しかしツアー真っ只中、東日本大地震が起こり一時中断せざるを得なくなってしまいました。震災翌日に大阪公演を控えていた桜井さんはスタッフさんに「大阪のインフラとしてはできるかもしれないし、やるならいつも通り本気でやります。けど、今までにない規模の災害の中で、楽しんでやる気分にはなれないし、それはお客さんも同じではないかと思います。とにかく判断は任せますので、やるなら全力を尽くします。」と伝えていたそうです。


結果的に大阪(3/12,13)・和歌山(3/20,21)・仙台(3/26,27)・盛岡(4/23,24)4会場8公演が延期となり、大阪・和歌山公演は5/14,15の京セラドーム公演に振替、仙台・盛岡公演は中止となりました。


その後、4/2の札幌公演からツアーを再開し、4/4には"かぞえうた"を配信限定でリリースしました(詳細は後述)


ツアーに関しての説明だけで相当長くなってしまいましたが…ここからライブレポに入りたいと思います!!


1.NOT FOUND

Mr.Childrenのワンマンライブで披露されるのは2002年のwonderful world on DEC 21以来、実に9年ぶりに披露のナンバー。

じぇん曰く「毎回ライブの1曲目候補に上がってたんですけど、結局やめちゃってたんですよ。でもやっとオープニングでやれました」とのこと。田原さんが推してくれたのかな?本当にやってくれて嬉しかった( ;  

オープニングのSEが終わると同時に桜井さんがブルーフラワーを弾いて"僕はつい"と歌い出す流れがもうパーフェクト💯 原曲から半音キー下げでの演奏がまたかっこいいいい

1番のサビ前でカメラに映される喜びを爆発させる女性ファンの気持ちがものすごくわかりすぎる。

(ツアー再開後の札幌・長野・石川公演では一曲目で"overture〜蘇生"が演奏されていた)


2.HOWL

ライブ序盤でみんなで盛り上がるにはもってこいのナンバー。ぴょんぴょん跳ね回るさくらいさんがかわいいいい!!!

みんなで"HOWL!!!!"って叫びたいネ


3.名もなき詩

2番サビに入る前に「こっから大事な言葉!!」と言ってサビをお客さんに任せます。そういえば名もなき詩をリリースする前に桜井さんが「これまではいつ死んでもいいと思ってましたけど、この曲を世に出すまでは絶対死ねない」と言ってたのを思い出しました。このフレーズはまさに届けたかった言葉の象徴だったのかも。


4.I'm talking about Lovin'

画面を2分割したり3分割してメンバーやファンの様子が映し出される演出が成されたナンバー。これまでほとんど取り入れてこなかった画面割りなので最初は違和感があるかも。でもメンバーもファンもみんな楽しそうな空気感が伝わってきて個人的にはすきでした。

そしてこの曲の遊ぶようなベースライン必聴です(重要)


5.エソラ

カラフルな照明とともにじぇんのドラムと桜井さんの「行くぞさいたまぁぁ!!!!」でテンションがもう一段階上がります⤴︎⤴︎⤴︎

やっぱこの曲聴いたら否応なく心の底からカラダ目一杯使って楽しみたくなりますね


MC

桜井さんが「いつか人生を振り返るときに"あぁいい人生だった"と思えるようなそんな一日にしたいと思います!」と話してるときのなかけーと田原さんの"あいつは何言ってんだ"と思いながらもまんざらでない感じの微笑みがよき🤤


6.HANABI

終末のコンフィデンスソングスツアー、SUPERMARKET FANTASYツアー同様に原曲から半音キー下げバージョン。

今でこそツアーでの演奏が定番化していますが、このツアー後REFLECTIONツアーで演奏されるまで約4年ブランクが空きます。


7.くるみ

HANABI同様に半音キー下げで披露。

実はくるみもI❤️Uツアー以来、ツアーでの披露は6年ぶりで、原曲に近いアレンジだとシフクツアー以来という久しぶりのナンバー。

小林さんのキーボードがこの曲のよさを更に引き立てている感じがします。


8. -Memento-Mori-

DISCOVERYツアー以来、ツアーでの披露は12年ぶりのこちらも久しぶりのナンバー。

久しぶりの演奏というのもあってか、かつてのような重苦しいムードの曲から開放感がもたらされ風通しよく桜井さんから笑みもこぼれてました。


9.es】〜Theme of es

esを披露するのはMr.Childrenが解散するとき」と言われていたが、前年のap bank fes14年ぶりにライブで披露され物議を醸したナンバー。ツアーでの演奏は阪神・淡路大震災の起こった95年のスタジアムツアー"ku"以来だった。

今回のSENSEツアーは震災前から始まっていたのでもちろん"es"が披露されたのは偶然だが……"何が起きても変じゃない そんな時代さ覚悟はできてる"というフレーズがこれ以上ないタイミングで届けられたことは確かだった。


10.DIVEシーラカンス〜深海

アルバムジャケットのクジラから"SENSE"は海がひとつキーポイントであり、生々しい音が鳴らされているためこの曲が選ばれたのは必然だったのかもしれない。


11.I

アルバム1曲目に収録されたナンバー。

→es→シーラカンスという流れが非常にこの曲をより生々しく響かせている。かつてのような絶望感とはまた違った意味での"生と死""人生"など改めて色々なことを考えさせられるセットリストになっている。


12.ロザリータ

スペイン語で女性という意味の"ロザリオ"と愛情を込める場合の語尾"ータ"を掛け合わたタイトルの曲。

重苦しさと溢れ出すような生々しさがここまでの流れを汲みつつすごくいい味を出している。「そばかす」「唇」「下品に揺れる果実」というフレーズが痛いほどに生々しく刺さってくる。


13.SE365

とても純粋に素直に染み渡る至高のラブソング。各公演後のアンケートで一番よかった曲ランキング1位を何度も獲得していたらしい。曲が始まる前のSEも見ものです。久しくこのSEもやってないのでまた見てみたい


14.ロックンロールは生きている

前作"SUPERMARKET FANTASY"ではこれ以上ないくらいのカラフルでポップなナンバーから打って変わって、Mr.Childrenのロックをこの曲でまざまざと見せつけられた。

CDで聴いた段階で心惹かれた方もいると思いますが、ぜひライブバージョンも聴いてみて下さい想像の遥か上の歌、演奏、演出できっとコテンパンにされます、、、


15.フェイク

ツアーごとに聴こえ方が少しずつ変わっていくナンバー。前後にどんな曲が演奏させるかで意味合いが変わってくるような

今回だと"ロックンロールは生きている"から"ポケットカスタネット"に繋ぐにはピッタリな選曲だと感じました。


16.ポケットカスタネット

背面の大きなスクリーンに出てくる仮面をつけた男の子の心情がこの曲で表現したかった、この曲に託されたような気さえしてくるこのツアーのキモとなるナンバーだったのかも。

そして間奏〜大サビに向けてのじぇんのドラムが本当に圧巻!!!!ずっと聴いていたい!!!!


17.HERO

実は"ポケットカスタネット""HERO"の間に"Hallelujah"がセトリ第一候補にあがっていたそう聴いてみたかった

けど"ポケットカスタネット"で男の子の気持ちを代弁して、"HERO"ではその男の子のお父さんの気持ちを代弁してそれが"繰り返していくことが 嬉しい 愛しい"とするならばこの流れのほうが美しいと判断したのかもしれないどちらにせよとてもいい曲でした


18.擬態

SENSE PROJECTでもキーワードになっていた"トビウオニギタイ"。ここまでポップなナンバーにここまで考えさせられるフレーズを並べる桜井さんのソングライティングには改めて脱帽するほかありません……

そしてこの曲への大きな信頼感からかメンバーの表情も充実感に満ちているような気がします。


19.Prelude

歌詞の中にここまでのMr.Childrenを彷彿とさせるようなフレーズが多く、桜井さん曰く「あの曲の歌詞はですね、Mr.Childrenの音楽をすごく好きで聴いてくれた人にちょっとずつ、"ちょっかい"出しながら書いてました」とのこと。"SENSE"という作品自体が「長い間Mr.Childrenの音楽を聴いてくれている皆さんが、作らせてくれた気がします」とも桜井さんは話しており、その想いが顕著に出たナンバーになったのかもしれません。

実は、ツアー序盤で"Prelude"より"擬態"fanfare"を本編ラストに持ってきたほうが盛り上がるのでは?という提案がスタッフさんから出てきたときに、田原さんが一貫して「絶対に"Prelude"で終わる意味があるライブになるから焦るな」と笑顔で言い続けていたそう。大サビ前の桜井さんの叫びがめっちゃ気持ちよく最後の最後にテンションが最高潮に!!!!


en 1.横断歩道を渡る人たち

"Split The Difference"で披露されたバージョンみたく原曲よりテンポが速く疾走感溢れるナンバーになってます。"そのギターで未来を変えるつもりかい?それならいつか仲間に入れてくれ"のフレーズが個人的に超すき。


en2.fanfare

原曲から半音キー下げバージョン。

小林武史さんの「この曲はMr.Childrenとして新しい挑戦をした」という言葉通り、Mr.Childrenに新しい引き出しが増えたようなライブが一段と楽しくなるナンバー。

ファンはもちろん、メンバーもみんな本当に楽しそうに口ずさんでいて心から楽しい気持ちにさせてくれる


en3.Forever

ラストを飾るに相応しいナンバー。

"僕らの周りにいくつもの愛がいつもあったよそんな風にツアーに行くたびにMr.Childrenに毎回気付かされてます。


en4.かぞえうた

前述した4月に配信されたナンバー。

歌う前のMCでも述べているようにミーティングでじぇんが曲を作って、その収益を義援金に充てるのはどうかという提案がきっかけとなった。桜井さんは当初、アーティストのエゴを震災で出していいのかという想いから悩んでいたが、ある日"かぞえうた"というフレーズが浮かんできたことで曲となった。

「何もないところから希望を数えていける、そんな力を人間は持っていると信じるような希望の歌にしたい」という桜井さんの願いが込められており、ライブでもその想いが素直に歌となって届けられたのではないかと思います。


ツアー終了後、とあるスタッフさんは「これだけバンドが一つの目標に向かって成長し、エネルギーを集約して、お客さんを魅了していく過程を感じられたツアーはなかったのではないか」と話していたそうです。

その集大成がこのツアーDVD(アリーナツアーファイナル、さいたまスーパーアリーナ公演)に収録されていると思います。目で見て、耳で聴いて、"目じゃないとこ耳じゃないどこか"も使って、ぜひMr.Childrenの音楽を全身で受け止めてみてください。



wonederful world on DEC 21 ライブDVD レポ


このライブを語るうえで2002年の例の一件は外せないのでまずはそこから触れていきます。


2002年といえばMr.Childrenにとってデビュー10周年であり、10th Album "IT'S A WONDERFUL WORLD"もリリースされ記念すべき年になるはずでした。


ところが7月に"Any"がリリースされた矢先、桜井さんが病に倒れました。病名は小脳梗塞712月に予定されていたホール&アリーナツアーは全て中止がアナウンスされると同時に、桜井さんからは「甘えず、腐らず、また会える日まで。」というメッセージが残されました。


その4ヶ月後、アリーナツアーファイナルになる予定だった12/21横浜アリーナ公演を行うことが発表されました。桜井さんからは「いったん冷めてしまった『我が家自慢のシチュー』捨てるのがもったいなくてできずにいました。当日、会場で皆さんのおいしそうな顔が見れるよう、これから、またじっくりと愛情を込めてあたためていきます。ぜひ召し上がれ。」という桜井節の効いたコメントも発表されました。(実は横浜アリーナだけはキャンセルができずこの公演が残されていたそう)


ここまで淡々と時系列順で当時の流れを振り返ってきましたが、当時ファンだったら正直気が気じゃなかったと思うそしてHEROリリース後の一夜限りのライブどんな心境だったのか計り知れないですね😇


さて、こんなところでようやくライブレポにいきたいと思います!!!!


1.Dear wonderful world

皆さんご存知の通り、盛り上がるような曲ではないけど桜井さんが"Oh Baby"と歌い出した瞬間のリアクションから、ここまでの経緯と一夜限りのライブを前にお客さんの期待感と興奮が手に取るように分かるというか自分はあの場にいたら興奮とか通り越して泣き崩れてたと思う…


2.CENTER OF UNIVERSE

だんだんエンジンをかけていくにはもってこいのナンバー。最後の大サビでは桜井さんも"はい!!ポンジュール!!!!"ってな感じでテンション上がってきてたのできっとメンバーもお客さん同様にそれ以上に興奮していたと思う。


3.NOT FOUND

エンジンかけすぎてもう200km/hくらい出てそう() 冗談はさておき、この曲は病室でもたけしくん(=プロデューサー小林武史)とセトリから外したほうがという話になりやらない方向だったが、復帰明けのリハで「あれっ全然歌えるじゃん!」ということでじゃあもう序盤でバーン!!とやろうという感じに。

しかもサビの張り上げる部分はリハではさにやん(=Sunnyさん)が担当し、桜井さんはファルセットでハモる予定だったが、本番では高まりすぎて"微笑みをぉぉぉおおお もう一度ぉぉぉおおお"とめっちゃ張り上げてるので要チェック☝️


4.名もなき詩

もともとセトリには入っていなかったが、リハでかなり歌えるということがわかったため選曲された。まだ今みたいなニコニコしながらの名もなきとはまた違うクールな歌い方

1番サビをお客さんに歌わせる前の桜井さんの"カモン"お聞き逃しなく!!


5.渇いたkiss

ふかし続けてきたエンジンをここから少し抑えめに。次のツアーでothersと一緒に聴きたいやつ。田原さんがキュンときた"桃色のケロイドになればいい"のファルセットをご堪能あれ😇


6.Drawing

個人的にこの曲大好きです!!さにやんと浦ちゃん(=浦清英さん)のツインキーボードがとてもいい味を出してます👍🏻 間奏のキーボードが心地良すぎて永遠に浸っていたい🤤

この曲のようにライブで観た美しい光景を上手に絵に描いてみたいネ


7.つよがり

とあるライブでは店長オススメの一品になった曲(このエピソードはいずれまた)Qツアーで披露している頃よりもいろいろ吹っ切れた歌い方になっている気もする、、

これもまたライブで聴いてみたいナンバー。


MC

桜井さん「えーあのさすがに一日限りということで緊張しますっす(甘噛み)…しますっす!!(強調)」もうあとのMCは色々危ういのでここでは書きません実際にご覧になってうわぁと察してください(なかけーの「歌は信用してるけど、MCは信用してないんで()」が身に染みてわかる)


8.君が好き

クリスマスバージョンでという紹介からの曲へ。「Everything (It's you)ではすごく周りくどい表現で愛を表現していて作詞家としてはすごくいいものができたけど、もっとシンプルにラブソングを鳴らしたい」という桜井さんの想いが12月という寒い季節の中ですごく暖かく響いていたと思う。


9.youthful days

「デビューした頃のように誰かのために愛の歌を歌いたい」という想いが顕著に出ている感じ。ちなみにこの日の桜井さんの髪型をリハで見た田原さん、なかけーは口を揃えて「なんかデビュー当時みたいだよね」と話してたらしい()

出だしのベースソロが控えめに言わなくても神なので必聴👂


10.ファスナー

桜井さん曰くスガ節を超意識して作った曲であり高熱の中、スタジオへ向かうタクシーの中で「仮面ライダーショーのきぐるみがボロボロで見るに耐えなかった」というラジオトークを皮切りに女性がファスナーを下げる行為から社会の汚い部分まで描けないだろうかと考えついた、ぜっっったい桜井さんにしか書けないナンバー。当時の色気と相まってすごくいい意味でのエロさも出ていた


11.Bird Cage

本当に病気でツアー飛ばしたのか疑いたくなるレベルで声が出ている、、いまの桜井さんの歌い方でもう一度ライブで聴いてみたい。じぇんの激しいドラムがこの曲のよさを最大限に表現できている


12.ニシエヒガシエ

アレンジがどんどん変化していく曲。このライブではpopsaurus2001同様一番までは桜井さんもアコギを持ち二番からハンドマイクに変わるスタイル。この曲と次のLOVEはじめましたは桜井さんから狂気すら感じる、、、


13.LOVEはじめました

前のスクリーンにデカデカと"LOVEはじめました"の文字。二番の"殺人現場に〜"の部分と間奏の部分は見ものです👀 世の中に存在する"LOVE"には一体どんなものがあるのでしょうそんなことを考えさせられる一曲です


14.ALIVE

じぇん曰く「ケン(=田原さん)のギターで全く違う曲になった。絶望感だけじゃない曲になった」とのこと。実際に原曲と聴き比べてもALIVE特有のけだるさも残っているものの全く違う曲にすら感じるくらいの劇薬だと思う。そして何より演奏中のメンバーの表情がいい。まさにALIVE=生きているという印象がすごく強くなった。


15.終わりなき旅

会場にいる全員がきっとこの曲を聴いて各々なにかを感じたと思う。感じずにはいられなかったと思う。活動休止やQを作り終えたあとの解散の危機、そして病を乗り越えステージでMr.Childrenが演奏していることがどれほど奇跡的なことか。感謝してもしきれない。


16.光の射す方へ

本編ラストナンバー。終わりなきで込み上げてきた熱い想いをこの曲で解き放っているように感じて、そういう意味でも終わりなき〜光の射す方へはすごくいい流れだと感じた👏🏻

メンバーもその熱い想いに応えるように熱い演奏で本編が幕を閉じた


en 1.虹の彼方へ

桜井さんがこの曲をやりたいと言い出したときはメンバー3人から肯定的な返答がなかったが、リハでの評判はよく本番でも採用。アンコール一曲目として申し分ない、何かワクワクすることが更に起こるんじゃないだろうかという期待感や空気感に溢れた


en 2.Any

桜井さんが病気で入院している時、ドコモのCMとして流れてきたこの曲に励まされたらしく「自分の作った歌に励まされるような経験、めったにない事だろうから、こんなことでも楽しみに変えながら今はやり過ごすとしましょう」なんてことも言ってました。個人的にもMr.Childrenを大好きになった曲なのでものすごく思い入れが強いのですまたライブでやってほしい一曲


en 3.いつでも微笑みを

田原さん曰く「こんな風に自分たちの曲を愛してもらえたらいいな」とのこと。田原さんちゃんとみんなから愛されてますよ✌🏻✌🏻

あまりステージで笑わなかった桜井さんもこの曲では満面な笑みを浮かべておりこのライブの満足感や充実感もすごく伝わってくる

背面モニターに映るイラストがめちゃんこ可愛いのでご注目👀


en 4.overture〜蘇生

桜井さん曰く「通しリハの段階でサビの"何度でも 何度でも"のフレーズを客席の人たちが歌っているのが聞こえた」らしく、本番でももちろんお客さんから大きな"何度でも 何度でも"が響き渡った。最初からこうなることが決まってたみたいなナンバーである。


en 5.It's a wonderful world

アルバム制作中に「無駄なことなど何ひとつとしてない」ということを強く感じその想いがそのまま詞になったもの。

実はこの曲のイントロで浦ちゃんのキーボードの音が出なくなるというトラブルが発生していたがじぇんがアドリブでカウントし始め難なく曲に入ることができた超ファインプレーが起こっていた。じぇんもやるときはやる男なのね、、


en 6.HERO

このライブが行われる前の一番聴きたい曲アンケートで堂々の一位になった曲。そりゃあライブ直前にリリースされて当然聴きたくなるよね

そしてイントロのドラムを叩き終えたじぇんがもう泣いている、、終わりなき旅とはまた違うベクトルでものすごいパワーをもつ曲だけど、この日のHEROだけは他とは比べ物にならない程のストーリーを持っていてそれはメンバー自身が一番感じていたと思う。それぞれがそれぞれの思いの丈をこのHEROにぶつけたこの上ないものになっている。

まだ聴いたことない方にはぜひこの曲がもっているものをその身を持って感じてほしい。。。



以上、長々と書いてしまいましたがon DEC 21は本当に見応えがあるのでぜひご覧になってみてください!!!!