TOUR 2011 "SENSE" ライブDVDレポ
2010年12月にリリースされた15th Album "SENSE"を引っ下げてのアリーナツアー。
発売前日まで収録曲やタイトルは一切発表されず、テレビ・雑誌などのプロモーションも一切行わなかった異色の作品は"Mr.ChildrenがMr.Childrenを超えること"をテーマとし、聴き手に感じ取って欲しい(=あなたのSENSEにすべて委ねます)というものだったため、ツアーもどういったものになるかファンの方々は非常にキタイが膨らんでいたのではないでしょうか🐋
しかしツアー真っ只中、東日本大地震が起こり一時中断せざるを得なくなってしまいました。震災翌日に大阪公演を控えていた桜井さんはスタッフさんに「大阪のインフラとしてはできるかもしれないし、やるならいつも通り本気でやります。けど、今までにない規模の災害の中で、楽しんでやる気分にはなれないし、それはお客さんも同じではないかと思います。とにかく判断は任せますので、やるなら全力を尽くします。」と伝えていたそうです。
結果的に大阪(3/12,13)・和歌山(3/20,21)・仙台(3/26,27)・盛岡(4/23,24)の4会場8公演が延期となり、大阪・和歌山公演は5/14,15の京セラドーム公演に振替、仙台・盛岡公演は中止となりました。
その後、4/2の札幌公演からツアーを再開し、4/4には"かぞえうた"を配信限定でリリースしました(詳細は後述)。
ツアーに関しての説明だけで相当長くなってしまいましたが…ここからライブレポに入りたいと思います!!
1.NOT FOUND
Mr.Childrenのワンマンライブで披露されるのは2002年のwonderful world on DEC 21以来、実に9年ぶりに披露のナンバー。
じぇん曰く「毎回ライブの1曲目候補に上がってたんですけど、結局やめちゃってたんですよ。でもやっとオープニングでやれました」とのこと。田原さんが推してくれたのかな?本当にやってくれて嬉しかった( ; ; )
オープニングのSEが終わると同時に桜井さんがブルーフラワーを弾いて"僕はつい"と歌い出す流れがもうパーフェクト💯 原曲から半音キー下げでの演奏がまたかっこいいいい
1番のサビ前でカメラに映される喜びを爆発させる女性ファンの気持ちがものすごくわかりすぎる。
(ツアー再開後の札幌・長野・石川公演では一曲目で"overture〜蘇生"が演奏されていた)
2.HOWL
ライブ序盤でみんなで盛り上がるにはもってこいのナンバー。ぴょんぴょん跳ね回るさくらいさんがかわいいいい!!!
みんなで"HOWL!!!!"って叫びたいネ
3.名もなき詩
2番サビに入る前に「こっから大事な言葉!!」と言ってサビをお客さんに任せます。そういえば名もなき詩をリリースする前に桜井さんが「これまではいつ死んでもいいと思ってましたけど、この曲を世に出すまでは絶対死ねない」と言ってたのを思い出しました。このフレーズはまさに届けたかった言葉の象徴だったのかも。
4.I'm talking about Lovin'
画面を2分割したり3分割してメンバーやファンの様子が映し出される演出が成されたナンバー。これまでほとんど取り入れてこなかった画面割りなので最初は違和感があるかも。でもメンバーもファンもみんな楽しそうな空気感が伝わってきて個人的にはすきでした。
そしてこの曲の遊ぶようなベースライン必聴です(重要)
5.エソラ
カラフルな照明とともにじぇんのドラムと桜井さんの「行くぞさいたまぁぁ!!!!」でテンションがもう一段階上がります⤴︎⤴︎⤴︎
やっぱこの曲聴いたら否応なく心の底からカラダ目一杯使って楽しみたくなりますね
MC
桜井さんが「いつか人生を振り返るときに"あぁいい人生だった"と思えるようなそんな一日にしたいと思います!」と話してるときのなかけーと田原さんの"あいつは何言ってんだ"と思いながらもまんざらでない感じの微笑みがよき…🤤
6.HANABI
終末のコンフィデンスソングスツアー、SUPERMARKET FANTASYツアー同様に原曲から半音キー下げバージョン。
今でこそツアーでの演奏が定番化していますが、このツアー後REFLECTIONツアーで演奏されるまで約4年ブランクが空きます。
7.くるみ
HANABI同様に半音キー下げで披露。
実はくるみもI❤️Uツアー以来、ツアーでの披露は6年ぶりで、原曲に近いアレンジだとシフクツアー以来という久しぶりのナンバー。
小林さんのキーボードがこの曲のよさを更に引き立てている感じがします。
8.花 -Memento-Mori-
DISCOVERYツアー以来、ツアーでの披露は12年ぶりのこちらも久しぶりのナンバー。
久しぶりの演奏というのもあってか、かつてのような重苦しいムードの曲から開放感がもたらされ風通しよく桜井さんから笑みもこぼれてました。
9.【es】〜Theme of es〜
「esを披露するのはMr.Childrenが解散するとき」と言われていたが、前年のap bank fesで14年ぶりにライブで披露され物議を醸したナンバー。ツアーでの演奏は阪神・淡路大震災の起こった95年のスタジアムツアー"ku"以来だった。
今回のSENSEツアーは震災前から始まっていたのでもちろん"es"が披露されたのは偶然だが……"何が起きても変じゃない そんな時代さ覚悟はできてる"というフレーズがこれ以上ないタイミングで届けられたことは確かだった。
10.DIVE〜シーラカンス〜深海
アルバムジャケットのクジラから"SENSE"は海がひとつキーポイントであり、生々しい音が鳴らされているためこの曲が選ばれたのは必然だったのかもしれない。
11.I
アルバム1曲目に収録されたナンバー。
花→es→シーラカンスという流れが非常にこの曲をより生々しく響かせている。かつてのような絶望感とはまた違った意味での"生と死"や"人生"など改めて色々なことを考えさせられるセットリストになっている。
12.ロザリータ
スペイン語で女性という意味の"ロザリオ"と愛情を込める場合の語尾"ータ"を掛け合わたタイトルの曲。
重苦しさと溢れ出すような生々しさがここまでの流れを汲みつつすごくいい味を出している。「そばかす」「唇」「下品に揺れる果実」というフレーズが痛いほどに生々しく刺さってくる。
13.SE〜365日
とても純粋に素直に染み渡る至高のラブソング。各公演後のアンケートで一番よかった曲ランキング1位を何度も獲得していたらしい。曲が始まる前のSEも見ものです。久しくこのSEもやってないのでまた見てみたい
14.ロックンロールは生きている
前作"SUPERMARKET FANTASY"ではこれ以上ないくらいのカラフルでポップなナンバーから打って変わって、Mr.Childrenのロックをこの曲でまざまざと見せつけられた。
CDで聴いた段階で心惹かれた方もいると思いますが、ぜひライブバージョンも聴いてみて下さい想像の遥か上の歌、演奏、演出できっとコテンパンにされます、、、
15.フェイク
ツアーごとに聴こえ方が少しずつ変わっていくナンバー。前後にどんな曲が演奏させるかで意味合いが変わってくるような
今回だと"ロックンロールは生きている"から"ポケットカスタネット"に繋ぐにはピッタリな選曲だと感じました。
16.ポケットカスタネット
背面の大きなスクリーンに出てくる仮面をつけた男の子の心情がこの曲で表現したかった、この曲に託されたような気さえしてくるこのツアーのキモとなるナンバーだったのかも。
そして間奏〜大サビに向けてのじぇんのドラムが本当に圧巻!!!!ずっと聴いていたい!!!!
17.HERO
実は"ポケットカスタネット"と"HERO"の間に"Hallelujah"がセトリ第一候補にあがっていたそう…聴いてみたかった…
けど"ポケットカスタネット"で男の子の気持ちを代弁して、"HERO"ではその男の子のお父さんの気持ちを代弁してそれが"繰り返していくことが 嬉しい 愛しい"とするならばこの流れのほうが美しいと判断したのかもしれない…どちらにせよとてもいい曲でした…
18.擬態
SENSE PROJECTでもキーワードになっていた"トビウオニギタイ"。ここまでポップなナンバーにここまで考えさせられるフレーズを並べる桜井さんのソングライティングには改めて脱帽するほかありません……
そしてこの曲への大きな信頼感からかメンバーの表情も充実感に満ちているような気がします。
19.Prelude
歌詞の中にここまでのMr.Childrenを彷彿とさせるようなフレーズが多く、桜井さん曰く「あの曲の歌詞はですね、Mr.Childrenの音楽をすごく好きで聴いてくれた人にちょっとずつ、"ちょっかい"出しながら書いてました」とのこと。"SENSE"という作品自体が「長い間Mr.Childrenの音楽を聴いてくれている皆さんが、作らせてくれた気がします」とも桜井さんは話しており、その想いが顕著に出たナンバーになったのかもしれません。
実は、ツアー序盤で"Prelude"より"擬態" や"fanfare"を本編ラストに持ってきたほうが盛り上がるのでは?という提案がスタッフさんから出てきたときに、田原さんが一貫して「絶対に"Prelude"で終わる意味があるライブになるから焦るな」と笑顔で言い続けていたそう。大サビ前の桜井さんの叫びがめっちゃ気持ちよく最後の最後にテンションが最高潮に!!!!
en 1.横断歩道を渡る人たち
"Split The Difference"で披露されたバージョンみたく原曲よりテンポが速く疾走感溢れるナンバーになってます。"そのギターで未来を変えるつもりかい?それならいつか仲間に入れてくれ"のフレーズが個人的に超すき。
en2.fanfare
原曲から半音キー下げバージョン。
小林武史さんの「この曲はMr.Childrenとして新しい挑戦をした」という言葉通り、Mr.Childrenに新しい引き出しが増えたようなライブが一段と楽しくなるナンバー。
ファンはもちろん、メンバーもみんな本当に楽しそうに口ずさんでいて心から楽しい気持ちにさせてくれる
en3.Forever
ラストを飾るに相応しいナンバー。
"僕らの周りにいくつもの愛がいつもあったよ" そんな風にツアーに行くたびにMr.Childrenに毎回気付かされてます。
en4.かぞえうた
前述した4月に配信されたナンバー。
歌う前のMCでも述べているようにミーティングでじぇんが曲を作って、その収益を義援金に充てるのはどうかという提案がきっかけとなった。桜井さんは当初、アーティストのエゴを震災で出していいのかという想いから悩んでいたが、ある日"かぞえうた"というフレーズが浮かんできたことで曲となった。
「何もないところから希望を数えていける、そんな力を人間は持っていると信じるような希望の歌にしたい」という桜井さんの願いが込められており、ライブでもその想いが素直に歌となって届けられたのではないかと思います。
ツアー終了後、とあるスタッフさんは「これだけバンドが一つの目標に向かって成長し、エネルギーを集約して、お客さんを魅了していく過程を感じられたツアーはなかったのではないか」と話していたそうです。
その集大成がこのツアーDVD(アリーナツアーファイナル、さいたまスーパーアリーナ公演)に収録されていると思います。目で見て、耳で聴いて、"目じゃないとこ耳じゃないどこか"も使って、ぜひMr.Childrenの音楽を全身で受け止めてみてください。